その他の特集

“学校の当たり前”は、本当にかえられないものなのか
~中学校の学年担任制/グループ学級担任制~ 前編

2022年09月22日

『教育ジャーナル Vol.13 2022年6月発行』より
教育ジャーナリスト 渡辺 研

これまでずっとそうしてきたから……という学校の当たり前が見直されようとしている。
典型例は授業改善。そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。
これまでどおりの活動ができなくなったが、それは必ずしもマイナスばかりに作用したわけではなく、「こうしてきたけど、こうかえてみてはどうだろう?」という視点を学校にもたらした。
小学校の教科担任制導入に続いて、中学校でも、学級経営は学級担任が1人で責任をもつという、当たり前のスタイルにも変化が訪れている。
中学校の学級担任制に見られる新しい発想と実践を2例、紹介する。

長野県上田市立第四中学校が実施する学年担任制

生徒の主体性を育みたい

学年担任制の発端は、数年前、大きな話題になった千代田区立麹町中学校の斬新な取組にある。取組の中には「東京都千代田区」という土地柄の学校だから可能だろうというものもあるが、学年担任制は共感する校長先生によって自校なりにアレンジしたものが各地で導入されている(岐阜市や長野市などにも事例がある)。
「他校の優れた(あるいは共感できる)取組に学ぶ(まねる)」――“学校の当たり前(学校の常識)”にとらわれず、学校をよりよく変えていけるシンプルかつ重要な姿勢だ。
上田市立第四中学校(以下、四中)の場合は、単に形を導入しただけではない。宮澤好一校長の生徒たちや教職員への思いを実現するためにふさわしい形として、ほかの活動とともに取り入れられた・・・

RANKING