学習指導・学級経営

多様性×学校教育 「多様性」の現状、学校での取組③

『教育ジャーナル Vol.17』特別座談会 社会に開かれた学び より

物部博文教授(横浜国立大学教育学部)
髙木信俊先生(東大阪市立鴻池東小学校)
中島潤さん(認定NPO 法人ReBit)

※所属、肩書は座談会開催時のものです。

子どもたちの実体験を生きた学びに変える

――現代は国籍や貧困など、社会の変化による多様性が生じています。これらについて、先生方が現場で感じられていることや授業での実践を教えてください。

髙木 私が4年生の担任をしていた年の2学期に中国から編入してきた子がいて、初めて、国が違えば文化や考え方が違うということを痛感しました(①参照)。日本と中国の学校の仕組みはまったく違います。掃除の時間や給食当番があることなど、日本独自のシステムは、その子にとっては理解しがたいことでした。
 実際、クラスの中から「あの子がちゃんと動いてくれない。やってくれない」と、私に訴えてくる子が出てきました。言葉が通じないことで、互いにうまくコミュニケーションが取れないフラストレーションも重なり、不穏な空気の流れを感じた私は、互いに相手をわかりあおうとすること、『相互理解、寛容』という点を子どもたちと一緒に考えていこうと、ある教材を使って道徳授業を行いました・・・

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