ICT教育

中学校道徳:道徳科授業におけるICTの効果的な活用

~各段階において有効なツールと実践~

〈中学校教科通信 2021年5月号 ウェブ版より〉
新宿区立西早稲田中学校副校長 西野 淳(にしの あつし)

はじめに

2019年12月に文部科学省から「GIGAスクール構想の実現パッケージ」および「教育の情報化に関する手引」が示されました。「教育の情報化に関する手引」では、ICTを効果的に活用するための主な学習場面として10の分類が明示され、道徳科の授業においても、導入、展開、終末といった各段階におけるICTの活用について、概要が述べられています。
ここでは、各段階においてどのような活用方法が考えられるか、実践例をとおして具体的にお示ししていきます。(実践例の教材はいずれも教育出版『中学道徳 とびだそう未来へ』による。)

三つの段階における効果的な活用と実践例

導入
導入では主に、主題に対しての興味・関心を高めつつ、より主体的に学ぶことができる雰囲気をつくりだし、学習内容の理解や自己を見つめる動機付けを図る準備を行うことが求められます。
教材「ルールとマナー」(C 遵法精神、公徳心)はそれらがなぜ私たちの生活に必要なのかを考えさせる内容ですが、ルールとマナーについて考える準備として、この二つの違いを多くの生徒がどのように考えているのかを共有する必要があります。
展開に多くの時間を費やせるようにするため、導入ではできるだけ短時間で多くの情報を共有する必要がありますが、ここで活用できるのが・・・

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