ICT教育

スポーツの未来に変革を起こす 体操AI自動採点システム

『体育・保健体育ジャーナル 7号 2020年2月発行』連載記事withSportsより
藤原英則さん(富士通株式会社 スポーツ・文化イベントビジネス推進本部 第二スポーツビジネス統括部長)

 

2019年10月にドイツで開かれた「世界体操競技選手権大会」。ここで国際体操連盟と富士通が開発した「AI自動採点システム」が、跳馬など一部の種目で初めて導入された。審判を補助し、体操の歴史にあった誤審を防ぐものとして注目されている。今回はプロジェクト責任者の藤原英則さんに、開発秘話や今後の夢などについて聞いた。【インタビュー、取材・文/荒木美晴】

 

高速化かつ複雑化する体操競技の技は、審判の肉眼だけでは公正な判断が難しいケースが増えつつある。だが、採点過程の可視化に成功したこのシステムにより、高精度な採点が可能になり、誤審を防ぐことができるようになった。そして、それらを練習や指導に活用すれば、競技力の向上にもつながる。“体操界の新たな歴史の始まり”として、富士通の技術は今、大きな期待と注目を集めている。
「今までにないものを生み出したい――」
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、IT技術を生かしたスポーツビジネスの可能性を探っていた藤原さんは、さまざまな競技団体の関係者に会い、企画を考えていたそう。そこで印象に残ったのが、日本体操協会の渡辺守成氏の世界観だった。「日本開催の大会なら、ロボットが採点していたりして、とおっしゃって。ジョークをジョークのまま終わらせず、イノベーションを起こすにはどうしたらいいか、と考えた」と、プロジェクト発足のきっかけを振り返る。
実は、当初のプロジェクトチームで体操経験者はゼロだったそうだ。・・・

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