ICT教育

道徳授業 私の実践 ChatGPTを教室のメンバーとして「使う」

『道徳ジャーナル119号 2023年11月発行』道徳授業 私の実践より
山形県高畠町立和田小学校教諭 近野 洋平(こんの ようへい)

2023年2月、たまたま見ていたネットニュースに「ChatGPT、史上最速でアクティブユーザー数1億人に到達か」という見出しがありました。そこで実際に使ってみたところ、間違いなく社会に大きな影響を与える技術であることを確信し衝撃を受けました。
そして現在は、「生成AIを使うか? 使わないか?」ではなく、「生成AIを使わざるを得ない時代において、その技術をどう使っていくか?」という段階に入っています。
ChatGPTは実際に物事を「理解」しているわけではなく、どの単語が特定の単語の後に続く可能性が高いのかを認識しています。そのため、出力する回答は基本的に「予測」に過ぎません。回答に誤りや納得できない内容が含まれることもあります。
私はこの部分に、「人間らしさ」を感じました。人間も手元にある経験や知識を頼りにして解決策を模索します。そう考えたときに「授業の中でChatGPTを教室のメンバーとして活用すれば、生成AIとの向き合い方に加え、生成AIとのやり取りを通して新しい視点や考えが生まれるのではないか」という仮説が浮かびました。 そこで、人間が開発した「人工物」であるという点を子どもたちに伝えた上で、道徳の授業で、「教室のメンバーとしてChatGPTを『使う』」という実践を行いました・・・

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